Kariとは?ChatGPT・Claudeのサブスクで使える無料AIエージェントを解説

ChatGPTやClaudeを仕事で使っていると、少し不思議に感じることがあります。

毎月サブスクリプション料金を払っているのに、別のAIツールから利用しようとすると、

「APIキーを取得してください」

「API利用料が別途かかります」

と言われることがあるからです。

そんなAIサービスの“二重課金感”を減らそうとしているのが、2026年9月21日に正式提供が始まったデスクトップAIエージェント「Kari(かり)」です。

Kariを開発するGotoAIは、ClaudeやChatGPTのサブスクリプション契約でサインインすることで、新たにAPIの従量課金契約を用意しなくても利用できると説明しています。

しかもKariは、単なるAIチャットアプリではありません。

パソコンに保存してあるPDFやWord、Excelなどを読み、資料を作ったり、ブラウザーを操作して情報を集めたりするところまでAIに任せられます。

では、普通にChatGPTやClaudeを使うのとは何が違うのでしょうか。

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Kariとは?

Kariは、GotoAI株式会社が開発するデスクトップ型のAIエージェントアプリです。

2026年9月22日時点の公式サイトではバージョン0.6.0が公開されており、

Windows 10 / 11(64bit)
macOS 12以降
Ubuntu 24.04以降
Debian 13

などに対応しています。

Kariの特徴を一言で表すなら、

「AIと、自分のパソコン上の仕事をつなぐアプリ」

と考えると分かりやすいでしょう。

一般的なAIチャットでは、ブラウザーを開き、ファイルをアップロードして、

「このPDFをまとめて」

「このExcelを分析して」

と指示する使い方が中心でした。

Kariでは、パソコン上にあるファイルをそのままAIと一緒に扱えるよう設計されています。

公式サイトでは、

・PDFやWordの要約
・PDF、Word、PowerPointの翻訳
・PowerPointのドラフト作成
・Excelデータの集計・可視化
・フローチャート作成
・ローカルファイルの横断検索
・Web検索
・ブラウザー操作の自動化

などが利用例として紹介されています。

つまり、AIに質問するだけではなく、

「AIに実際の作業を進めてもらう」

ことを狙ったアプリです。

最大の特徴はChatGPT・Claudeのサブスクを利用できること

Kariで特に注目したいのが料金の仕組みです。

一般的な外部AIツールでは、OpenAIやAnthropicのAIを利用するためにAPIキーを登録し、使った量に応じてAPI利用料を支払う方式がよく使われます。

そのため、ChatGPTやClaudeをすでに有料契約していても、

ChatGPTの月額料金

外部ツールで使うAPI料金

という形になる場合があります。

KariについてGotoAIは、ClaudeのPro / MaxやOpenAI ChatGPTのサブスクリプションへユーザー本人がサインインすることで、別途APIキーや新しい従量課金契約を用意する必要がないと説明しています。

この仕組みがKariのかなり大きな特徴です。

「Kariが無料=ChatGPTも無料」ではない

ここは少し注意が必要です。

「Kariは無料」と聞くと、

「ChatGPTやClaudeまで無料で使えるの?」

と思うかもしれません。

そういう意味ではありません。

無料なのは、条件を満たした場合のKari自体の利用ライセンスです。

ChatGPTやClaudeの有料プランを利用する場合、その契約料金は当然別に必要です。

Kariのコミュニティライセンスは、

個人利用
100人未満の組織での利用

について期間無制限で無償とされています。

100人以上の組織でも、60日間以内の評価目的であればコミュニティライセンスを利用できます。

それを超えて100人以上の組織で継続利用する場合は、有償のコーポレートライセンスが必要です。

つまり、

「Kariというソフトが無料」

「Kariの中で使うAIが無料」

は別の話です。

ここは混同しない方がよいでしょう。

API課金がなくなる=無制限に使える、でもない

もう一つ注意したいのが利用上限です。

APIの従量課金を使わないからといって、無制限にAIを使えるという意味ではありません。

たとえばClaudeについてGotoAIは、Anthropic公式のClaude Codeエージェントを利用し、使用量はユーザー本人のプランに計上されると説明しています。

Anthropicも現在、Claude Agent SDKやサードパーティーアプリからの利用について、Claudeサブスクリプション側の利用枠との関係を案内しています。

つまり、

「API料金を払わなくてよい」

ことと、

「使い放題になる」

ことは同じではありません。

契約しているAIサービス側の利用条件は確認しておく必要があります。

パソコンにあるファイルをそのまま扱える

Kariが普通のチャットAIと少し違うのが、ローカルファイルを中心に設計されていることです。

たとえばパソコンのフォルダーに、

会議資料
売上データ
PDFマニュアル
PowerPoint
Excel

などが保存されているとします。

従来なら、必要なファイルを一つずつAIへアップロードして分析することが多かったでしょう。

Kariでは、手元のファイルを読みながらAIに作業させることを前提としています。

公式に紹介されている例では、Excelファイルからデータを集計してグラフを作ったり、ローカルフォルダー内の多数のファイルを意味内容から検索したりできます。

ここがKariの面白いところです。

AIがブラウザーの中だけにいるのではなく、

「パソコンの中の仕事に入ってくる」

イメージに近くなっています。

WebサイトまでAIが操作する

Kariには内蔵ブラウザーもあります。

通常、AIとWebサービスを連携するときには、APIやMCPと呼ばれる仕組みを使うことがあります。

しかし、世の中のWebサイトすべてにAI向けのAPIが用意されているわけではありません。

そこでKariは、WebサイトそのものをAIが操作します。

公式発表では、

検索
ページ移動
画面の読み取り
ファイルのダウンロード

などを内蔵ブラウザーから実行できると説明されています。

利用例としては、

国会会議録の検索・分析
裁判例の検索・分析
政府統計の取得・集計
公開SNSの動向分析
ファイルダウンロードの自動化

などが紹介されています。

これはAIエージェントらしい機能です。

従来の生成AIが、

「調べ方を教えてくれるAI」

だったとすれば、

Kariが目指しているのは、

「実際にブラウザーを開いて調べるところまで行うAI」

と言えるでしょう。

70種類以上のAIプロバイダーにも対応

KariはChatGPTやClaude専用アプリではありません。

GotoAIによると、70種類以上のAIプロバイダーに対応しています。

OpenAI
Anthropic
Google Gemini
Microsoft Azure
Databricks
Hugging Face

などを登録できるほか、APIキーを使った接続や、独自のAI基盤、ローカルLLMにも対応しています。

つまりKariは、

「ChatGPTを便利にするアプリ」

というより、

「複数のAIを使うための共通デスクトップ」

を目指しているように見えます。

将来AIモデルが増えていけば、

文章はClaude
調査はChatGPT
社内情報はローカルAI

といった使い分けも考えられます。

ChatGPT Workとは何が違う?

ここで気になるのが、ChatGPT自身にも似た機能が増えていることです。

現在のChatGPTには「Work」があり、Web調査、ファイル操作、アプリ連携、ブラウザー操作などを行いながら、ドキュメントやスプレッドシート、プレゼンテーションなどの成果物を作成できます。

Windows・macOSのデスクトップ版では、許可したローカルファイルをWorkから利用することもできます。

そのため、

「それならKariはいらないのでは?」

と感じる人もいるでしょう。

ただ、両者は少し方向性が違います。

Kari ChatGPT Work
AI Claude、ChatGPT、Geminiなど複数 OpenAIのChatGPT
ローカルファイル 対応 デスクトップ版で対応
ブラウザー操作 内蔵ブラウザー 内蔵・クラウドブラウザー
ローカルLLM 対応 基本的にOpenAI環境
API接続 70以上のプロバイダーに対応 プラグインなどを利用
主な方向性 複数AIをまとめるデスクトップ ChatGPTの中で仕事を完結

ChatGPT Workは、ChatGPTの中でさまざまな仕事を完結させる方向へ進んでいます。

対してKariは、

「どのAIを使うかを固定せず、パソコン上の仕事をAIにつなぐ」

ところに特徴があります。

どちらが優れているという話ではなく、自分がどのAIサービスを使っているかによって選択が変わりそうです。

認証情報はKariに渡る?

AIエージェントでは、セキュリティも重要です。

特にChatGPTやClaudeのアカウントへサインインするとなると、

「Kariにパスワードを渡して大丈夫なの?」

と気になるでしょう。

GotoAIは、ClaudeやChatGPTへのサインインは各社の公式認証画面で行われ、Kariが認証情報やトークンを受け取ったり、保存・中継したりすることはないと説明しています。

ただし、これは「何をしても安全」という意味ではありません。

Kariに限らず、AIエージェントへローカルファイルやブラウザー操作の権限を与える場合、

どのフォルダーを読ませるのか
どのWebサービスを操作させるのか
機密情報を扱ってよいのか

といった権限管理は重要になります。

特に会社のパソコンで利用する場合は、個人の判断だけで導入せず、社内のセキュリティルールを確認した方がよいでしょう。

Kariはgooseをベースに開発されている

Kariは完全にゼロから作られたAIエージェントではありません。

GotoAIによると、Blockが開発し、現在はAgentic AI Foundationが運営するオープンソースAIエージェント「goose」をベースにした派生プロダクトです。

gooseをベースとしながら、

日本語UI
日本語ドキュメント
AIプロバイダー設定
ファイル操作
ブラウザー操作

などをまとめたデスクトップアプリとして提供されています。

海外発のAIエージェント技術を、日本の一般ユーザーや企業でも使いやすい形にまとめようとしている点もKariの特徴と言えそうです。

Kariはどんな人に向いていそう?

Kariが特に気になるのは、

ChatGPTとClaudeを両方使っている人。

そして、

AIでローカルファイルを扱いたい人
ExcelやPDFを頻繁に処理する人
ブラウザーで繰り返す作業を自動化したい人
API料金を別途管理したくない人
複数のAIモデルを使い分けたい人

でしょう。

逆に、普段ChatGPTへ質問する程度で十分という人なら、必ずしもKariを導入する必要はありません。

ChatGPTやClaude自体にもファイル処理やエージェント機能が増えているためです。

Kariの価値が大きくなりそうなのは、

「AIに質問する」から「AIにパソコン上の仕事を任せる」へ進みたい人

ではないでしょうか。

AIは「Webサービス」から「パソコンの相棒」へ

生成AIはこれまで、ブラウザーを開いて使うWebサービスという印象が強いものでした。

しかし最近は状況が変わっています。

AIが、

ファイルを探す
資料を読む
データを分析する
Webを調べる
ブラウザーを操作する
資料を作る

ところまで担当するようになってきました。

Kariは、この変化を分かりやすく表しているサービスの一つです。

AIそのものの性能だけでなく、

「AIが自分のパソコン上でどこまで仕事をできるか」

が重要になり始めています。

まとめ:Kariの注目点は「API無料」だけではない

Kariは、ChatGPTやClaudeなどと連携しながら、ローカルファイルやブラウザーをAIに扱わせるデスクトップAIエージェントです。

GotoAIが公開しているKari 0.6.0では、Windows・macOS・Linuxに対応し、個人や100人未満の組織ではKari自体を無償で利用できます。

もちろん、

「API料金が不要」

という点は分かりやすい特徴です。

ただ、それ以上に重要なのは、

これまでWebブラウザーの向こう側にいたAIが、自分のパソコンにあるファイルや普段使っているWebサイトへ近づいてきたことです。

生成AIの競争は、

「どのAIが一番賢いか」

だけではなく、

「どのAIが実際の仕事を一番スムーズに進められるか」

という段階へ移り始めています。

Kariが今後どこまで広がるかはまだ分かりませんが、AIが“チャット相手”から“仕事を一緒に進めるデスクトップアプリ”へ変わっていく流れを見るうえでは、注目しておきたいサービスです。

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